Posted on 11/28/2021 at 18:55, by matsumoto
永久に死を滅ぼされる。神である主はすべての顔から涙をぬぐい、ご自分の民へのそしりを全地の上から除かれる。主が語られたのだ。(イザヤ書25章8節)
最後の敵である死も滅ぼされます。(コリント人への手紙第一15章26節)
- はじめに…本主日からアドベント(待降節)です。例年と同様、アドベント・クランツのキャンドルに火を灯していきますが、アドベント第一主日は「アブラハムのキャンドル」です。「わたしが示す地へ行きなさい。あなたを大いなる国民とする。すべての民族はあなたによって祝福される」(創世記12章1-3節)との主の約束を信じて信仰の歩みを始めた“信仰の父”アブラハム。主の約束を信じて歩んだ、その主の約束の成就としてのイエス様の誕生へと引き継がれてきたことを想起するキャンドルです。
- アブラハム75歳…アブラハムが約束の地へ向かって歩み出したのは彼が75歳の時でした。今の日本における介護保険制度では“後期高齢者”です。社会の第一線から退いて、社会的なサービスを受け年金生活を始める年齢です。そのアブラハムを主は召し出されたのです。アブラハムはその主の召しに応じ、ただ信じて歩み出したのです。気力、体力が衰え、今まで出来ていたことが出来なくなってくる年齢だからこそ、逆に信仰が深まり、主への信頼が増していくと言えるでしょう。
- アブラハム99歳…主に不可能なことはありません。99歳(白寿)になったアブラハムに主が現れ、「カナンの地を与える(…)ひとりの男の子を与える」(創世記17章8、16節)と語られました。さすがのアブラハムも、そして妻サラもこの時ばかりは笑いました。しかし主は「主に不可能なことがあろうか」(創世記18章14節)と、約束は必ず成し遂げられることを伝えました。事実、アブラハム百歳の時、イサクが誕生したのです。
- アブラハム175歳…その後、イシュマエルの追放、イサクの奉献、イサクの結婚、妻サラの死etcの出来事を経て、いよいよその生涯に幕を閉じる時が来ます。アブラハム175歳。死に際してアブラハムは「自分の全財産(属するすべて)をイサクに与えた」(創世記25章5節)のです。そしてアブラハムの死はイサクとイシュマエルを引き合わせています(同9節)。アブラハムの生涯はまさに、十字架の死によって私たちに永遠のいのちを与え、神と人、人と人、人と被造物の和解の道を拓いて下さったイエス様の型と言えるでしょう。
- 結び…アブラハムがその生涯を通して信頼した主、その主が具体的に体を伴って世界の歴史のただ中に、お生まれになったことに想いを馳せながら待降節を過ごせる幸いを感謝します。主は死を滅ぼし、涙をぬぐわれる方です。
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